「フォアハンドストロークでトップスピンを掛けたい!」「でもあまり掛からない…」
そんなお悩みお持ちではないでしょうか。
この記事で握り方、スイングと当たり方、スタンスや身体の使い方を見直してみましょう。
それぞれ習得するための簡単な練習方法もご紹介しています。
テニスコーチとして数多くのトップスピンアドバイスをしてきたhachizooが詳しく解説いたします!

フォアハンドストロークはトップスピンをしっかりと掛けて力強いボールを安定させましょう!とコーチに言われていますが…
打ち方が悪いのか、あまり掛からずボールが直線的に飛んでしまいます。
トップスピンをしっかりと掛けるコツが知りたいです!

トップスピンをしっかりと掛けるには…
握り方、スイング方法、スタンス、身体の使い方の4点を見直すと改善する場合が多いです!
それぞれが身につく効果的な練習方法も合わせてご紹介します!
この記事で分かること
テニスのフォアハンドストロークでトップスピンが掛からない方への解決法
・トップスピンが掛からない主な原因4つを解説
・トップスピンが打ちやすいグリップと手首のイメージ
・トップスピンが掛かりやすいスイング軌道と当たり方
・トップスピンが掛かりやすいスタンスと下半身の使い方
・トップスピンが掛かりやすい身体の使い方と向き
テニスのフォアハンドストロークでトップスピンが掛からない方への解決法
テニスのフォアハンドストロークでトップスピンが掛けられるようになると様々なメリットがあります。
フォアハンドストロークでトップスピンが打てるメリット
- ボールの軌道が山なりになり、ネットしにくくアウトしにくいため安定する
- 回転の力でボールが最後に落ちるため、強打してもアウトなどのミスになりにくい
- 山なりの軌道でショートクロスやトップスピンロブなど多彩なショットを打ちやすい

フォアハンドストロークの攻撃力を上げつつ安定させるためには必須の技術ですね!
しかし、テニスを覚えたての初心者の方や、薄めのグリップでフラット系でテニスを覚えた方にとってはトップスピンが掛からないというのは意外と多い悩みです。
テニスのフォアハンドストロークでトップスピンが掛からない方の主な原因としては以下のものが考えられます。
- グリップ(握り方)が薄すぎる
- レベル(水平)スイングで当たりが厚くなってフラット系となっている
- 体重移動を前にし過ぎで身体が前に突っ込んでしまっている
- 身体が回らず手打ちになると飛ばなくなる
グリップが極端に薄い、コンチネンタルグリップで握っている方はトップスピンが掛かりにくい傾向があります。全く掛からないわけではありませんが、薄いグリップでは手首をワイパーのように使うトップスピン特有の動きがしにくくなります。
スイングするときにラケットの高さが変わらず水平にスイングする方は、後ろから前にラケットが分厚く当たってしまいます。そうなるとボールはフラット系になり、直線軌道となります。トップスピンは掛からずネットやアウトが増える傾向となってしまいます。
踏み込みなどの動作が強すぎて前に身体が倒れながら打ってしまう方は、下から上への下半身の力が使えていませんのでトップスピンは掛かりにくくなります。無理に掛けようとしてもネットしてしまうでしょう。
スイング時に身体が横向きのままフィニッシュしてしまったり、もともと正面向きのまま手打ちになってしまったりすると、下から上への縦振りのみとなってしまい前への推進力が皆無になります。これでは擦れて回転は掛かりますが前へ飛ばないのでネットしてしまう結果となってしまいます。

私は薄いグリップで水平スイングだからフラット系なんですね。
トップスピンが掛かりやすくするためにはどうすれば良いのかな?

これからそれぞれの改善点のコツとお勧めの練習法を詳しく解説していきますね!
トップスピンが打ちやすいグリップと手首のイメージ
トップスピンが打ちやすい最適なグリップはセミウエスタングリップ~ウエスタングリップです。
もちろん薄いグリップでも打てなくは無いのですが、手首の可動域の特徴により、少なくともフォアハンドイースタングリップくらいは厚さが無いと辛いというのが一般的です。
★フォアハンド4グリップでの向き不向きの関係図
コンチネンタル | フォアハンドイースタン | セミウエスタン | ウエスタン | |
手首の前後可動 | ◎ | 〇 | △ | × |
手首の上下可動 | × | △ | 〇 | ◎ |
サーブなどの回内動作 | ◎ | 〇 | △ | × |
トップスピンのワイパー動作 | × | △ | 〇 | ◎ |
「手首の前後可動」は手の甲側から手のひら側に手首を動かす動作。
「手首の上下可動」は親指側から小指側もしくは逆に小指側から親指側に手首を動かす動作。
トップスピンで使う手首の動きは「下から上」ですから「上下可動」ですね。また肘を支点に腕を「車のワイパー」のように動かす動作も厚いグリップの方がやりやすいです。この事から「トップスピンは厚いグリップの方がやりやすい」と言えます。
では薄いグリップの方がトップスピンを打つためには「ウエスタングリップ」にしなければならないかというと決してそういうわけではありません。
グリップを大きく変えることは、スイングを根底から変えていくことになりますのでかなり勇気と時間が必要になります。
ですので、グリップが薄い方は「少しだけ」厚くすることをお勧めします。せめてフォアハンドイースタングリップくらいになれば、手首の上下可動も出来て、ワイパー動作も可能になります。
後述するスイングや身体の使い方を補助にすれば、十分トップスピンは掛けられますので、あきらめずに習得していきましょう!

グリップを凄く厚くしなければならないかと思っていました!
少しずつ変えるのであれば私にも出来そうです!
でも手首を下から上へ動かす感覚があまりつかめません…
「手首の上下可動」、すなわち手首を下から上へ動かす動作を覚えるためには、「ボールを地面に置き、ラケットをかぶせて転がす」練習がお勧めです。地面のボールに対してラケット面をかぶせて、その上から握ると自然と厚い握りにもなります。
この状態で、手首を小指側から親指側に動かしながらボールを転がしてみてください。トップスピンのインパクト時のラケットの動きが分かりやすくなりますよ!

ラケットの縦ガットでボールを滑らせるイメージです!
トップスピンが掛かりやすいスイング軌道と当たり方
トップスピンをより掛けるためには、ラケットヘッドを下から上へ大きく動かし縦振りをしていきます。ラケットヘッドがテイクバックで上がったままスイングに入るとこの動きは出来ません。
テイクバックは、レディからそのままラケットヘッドを地面に向けて引く方法と、レディからラケットヘッドを上からループするように回して下に引く方法があります。
最近のプロの主流は後者の方で、「ループスイング」や「サーキュラースイング」などど言われています。ラケットヘッドを回すことで遠心力を働かせ、よりスイングを加速できることがメリットですね。
逆にデメリットは準備に時間がかかるので振り遅れることです。まだスイングに余裕が無い方は、すぐにラケットヘッドを地面に向けて引くこともお勧めです。どちらかはご自身のやりやすい方で選んでいくと良いでしょう。

私は元々フラットの打ち方なので、すぐにラケットヘッドを地面に向けるテイクバックの方が合っていそうです!
次にスイング軌道ですが、「車のワイパー」のように肘を支点にラケットヘッドを下から上に振り上げる方法を是非習得してください。
こうすることで、インパクト時にラケットが縦に通過しますので、「当たりが薄くなりトップスピンが掛かる」ようになります。この時、スイングを減速してしまうとラケットヘッドが走らず回転が掛からなくなるので、思い切ってスイングは加速するように振りましょう。
このインパクトの感覚を習得するためには、「ネットに対して素振りをする」練習がお勧めです。
ネットの前に立ち、フォアハンドストロークのインパクトがちょうどネットになるようにします。そのまま素振りをしますが、きちんとワイパースイングが出来ていると、「ネットに沿うようにラケットが下から上に動く」のでネットにラケットが当たらずスイングできます。
逆に、ネットに「バン!」とラケット面が当たってしまったら「厚い当たり」の証拠です。これはフラット系になってしまいますので、そうならないように何回も素振りをして覚えていきましょう!

お家の中でも、手のひらで壁に向かって素振りをして同じ動きを練習することも出来ますよ!
トップスピンが掛かりやすいスタンスと下半身の使い方
テニスのフォアハンドストロークでトップスピンを掛けるのに適しているスタンスはスクエアスタンス~オープンスタンスです。
各スタンスの特徴
・クローズドスタンス…後ろ足に対して前足を逆クロス側に踏み込むスタンス。身体が閉じる方向(横向き)になりやすくスライスなどのショットに適している。
・スクエアスタンス…後ろ足に対して前足を打球方向にまっすぐ前に踏み込むスタンス。オールマイティにすべてのショットを打てるが前に突っ込んでしまいやすいデメリットもあり。
・オープンスタンス…後ろ足に対して前足をクロス側に踏み込むスタンス。身体が開く(正面向き)になりやすくトップスピンなどのショットに適している。
基本的にスクエアスタンスで問題なくトップスピンは打てますが、前述のように踏み込みが前に来ますので突っ込んでしまったり振り遅れが多くなることがデメリットです。踏み込む際は過度に体重移動しないように注意が必要です。
その点、オープンスタンスは突っ込むことが少なくなり、ボールを手元まで待てるメリットがあります。そして、身体のターンさえしっかりと出来れば身体の回転の力をボールに乗せることも出来ます。
スタンスを変えるのが難しい方はそのままでも構いませんが、ゆくゆくはオープンスタンスで打てることを覚えると、様々な状況に対応しながらトップスピンが打てるようになります。レベルアップには必須のテクニックと言えるでしょう。

現在のプロ選手もだいたいはオープンスタンスでトップスピンのフォアハンドストロークがメインのショットとなっていますね!
スタンスがうまく決まるようになってきたら、「下半身の使い方」も覚えましょう。
運動連鎖を上手くボールに伝えるには、まず下半身の動きをしっかりと出来ることです。具体的には膝の曲げ伸ばしを使いましょう。
テイクバック時には後ろ足の膝をやや曲げていきましょう。そうすると身体が沈み込みより下から上にパワーを伝えやすくなります。インパクトにかけて膝を伸ばしながら少し上方向に力が働くようにしていくと、トップスピンがより掛かるようになっていきます。
この動きをイメージするためには「椅子に座ってテイクバック~立ちながらスイング」という練習がお勧めです。椅子に座る=膝が曲がった状態、立ちながらスイング=膝を伸ばしながらスイング、という感じです。
やってみると意外とトップスピンの打ち方がきちんと出来て面白いですよ!もちろん、本番のテニスでは椅子は使えませんし、ここまで大げさに膝を曲げ伸ばししません。ですが、イメージを掴むのには最適な練習だと思います!

膝の曲げ伸ばしをやり過ぎると、膝を痛めてしまう事も出てきます。
もともと膝が弱い方などは注意して無理せず行ってくださいね。
トップスピンが掛かりやすい身体の使い方と向き
前述のスタンスとも連動していますが、テニスのフォアハンドストロークでトップスピンを掛けるために適した身体の使い方は「正面向きになりながら振ること」です。
ラケットを持つ方の肩がテイクバック時に後ろに行けば、身体が自然と半身にターンします。ターンが出来ないと身体が回りませんので手打ちになりますから注意しましょう。逆にターンが深すぎても(横に向き過ぎても)正面向きに戻せなくなりますので上手く打てなくなります。
身体の回転が起こらないと、ラケットが後ろから前に行きませんので、下から上に振るだけで推進力がないスイングになってしまいます。これでは擦れるだけでボールが飛んでいきません。

ラケットの動かし方は良くても、身体の回転が無く手打ちだと飛ばなくてネットしてしまうんですね。。。注意します!
どこまでターンするかはグリップの厚さにもよります。ウエスタンなどの厚いグリップならばあまりターンを深くせず、45度くらいのイメージでテイクバックしましょう。薄いグリップになればもう少し横向きを強くしていきます。
基本的に「ワイパー動作」は身体の前で行われますので、身体が正面向きまで回転していかないとやりにくくなってしまいます。しっかりと身体を回しながらインパクトは正面向きで取るイメージで振っていきましょう。
上手く身体の回転の力がボールに乗ってくると、トップスピンに深さや勢いが出てきます。そうすると安定させながら攻めることが出来るメリットを活かせるようになりますよ!
まとめ
テニスのフォアハンドストロークでトップスピンが掛からない方への解決法
・握り方はセミウエスタン~ウエスタンが最適!手首がワイパーの動きが出来るようにしよう!
・ラケットヘッドを縦に大きく動かして薄い当たりを習得しよう!
・スタンスはスクエアスタンスかオープンスタンスで!膝の曲げ伸ばしを補助に使おう!
・身体の回転を使いながらフィニッシュは正面向きで終わろう!
以上、参考になれば幸いです!
他のショットにお悩みの方は、「テニスショットお悩み解決」リストからご覧ください!
ゲーム戦術でお悩みの方は、「ゲーム戦術お悩み解決」リストからご覧ください!
テニスギア、アクセサリの解説とお勧めは「テニスギアお悩み解決」リストからご覧ください!
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