ストロークからボレーへの移行は中級レベルには必須の技術となってきます。
アプローチが上手くいかなかったり、その後のボレーで失敗してしまうお悩みありませんか?
アプローチショットの特性を理解して、同戦術に活かすかを考えることが大切となります。
テニスレッスンでも数多くのアプローチのお悩みを解決してきたhachizooが解説いたします!

初中級者
テニススクールの初中級クラスです。
最近中級クラスに進級するためにアプローチショットからボレーにチャレンジしているのですが、どうもうまくいきません。
アプローチショット自体がミスすることもありますし、その後のボレーが上手くいかないこともあります。
アプローチからボレーをうまくいくコツを教えてほしいです。

アプローチショットの習得はテニスにおいて中級レベル以上になるための重要スキルです。
アプローチだけでなく、その後のボレーも成功するように考えていくことが大切です。
アプローチ自体、ボレーへ移行する際の戦術面、双方を解説していきます!
この記事で分かる事
- アプローチショットが上手くいかない方の原因と解決法
- アプローチショットからボレーへうまく移行するための考え方
アプローチショットがミスしてしまう主な原因と解決法
アプローチショットはその後のボレーに繋がるショットです。
そのため、短いボールを前に走って行って打球する場面が多いです。
初級者のうちは特にですが、短いボールを打つという事そのものがミスになってしまう事が多いです。
〇アプローチショットをミスしてしまう主な原因
- 相手コートまでの距離が短くなるのに、後ろで打つ時と同じショットでアウトしてしまう
- 短いボールに対してのフットワークが悪く、距離感とタイミングが合わない
アプローチショットはコートの前方、サービスライン後方付近で打つことが多いショットです。
そのため、相手コートとの相対的な距離は短くなります。
そのことを考えずに、ベースライン上で打つ時と同じ感覚で打ってしまうとたいていはバックアウトしてしまいます。

初中級者
確かに後ろで打つ時と同じスピードや感覚で打っていました!
アウトしてしまうのはこのためだったんですね。
また、短いボールを処理する時にフットワークや身体の使い方が間違っている可能性もあります。
- 前に移動する際に正面向きのまま打ってしまう
- 足を決める位置がボールのバウンド地点に近すぎる
- インパクトの時に走りながら打ってしまう
このような動きをしていると、ミスになる確率は高くなってしまいます。

特に焦っているとボールに突っ込んでしまったり、走りながら打ってしまい打点が合わなくなるミスが出やすいですね。
相手コートのベースラインまでの距離を意識しよう
アプローチショットを打つ際はコート前方に動いて打球することが多くなります。
そうなると、ベースライン上で打つよりも相手コートまでの距離が近くなります。

相手ベースラインまでの距離が短いので、ショットも工夫しないとアウトしてしまいます。
具体的には以下の事を意識しましょう。
- 自分がどの高さで打てるかで選択肢を絞り込む
- 高い打点で打てるならばフラット系の打ち込みを地面に角度をつけて打つことが出来る
- 低い打点になってしまうならば、回転量を増やしてコートに収まるようにする
フラット系で強く打つには、相手コートまでの距離が短いので高い打点で地面に向かって角度をつけて打ち込むことが求められます。
低い打点でフラット系を選択してしまうと、そのままボールが伸びていってしまうのでアウトしてしまうわけです。

初中級者
私のボールはフラット系なので、アプローチの際にアウトしてしまう事が多かったです。
もう少しスピン系を覚えた方が良いのでしょうか?

高い打点でネットより上から打てるという条件があれば大丈夫です。
ただ、低い打点でフラットを打ってコートに収めるためにはスピードを落とすしかなくなりますので、アプローチ自体が弱くなってしまう危険性がありますね。
低い打点では、スピン系で回転量を上げてコートに収める方法、スライス系でタッチコントロールをして低く滑るボールをコートに収める方法があります。
スピン系で回転量を上げるには「下から上にスイングスピードを上げる」ことが求められます。
スイングスピードが減速してしまうと逆にスピンはほどけてしまいますので、薄い当たりでスイングを加速することが大切です。
↑こちらの記事でトップスピンの掛け方は詳しく説明しています。
スライス系に関しては、「タッチコントロールを意識する」ことが大切です。
タッチは具体的にはインパクト時の力加減や握力の事で、強ければ反発して飛びますし、弱ければマイルドな当たりになり飛びを抑えられます。

ドロップショットなどのイメージですね。
相手コートまでの距離に応じてタッチの強弱をつけられるようになると良いです。
スライス系はある程度習得まで時間がかかりますが、テニスの幅を広げるには必須のショットです!
また別記事でスライスについては書こうと思います。
短いボールに対して前に移動しながら打つ時に意識すること
短いボールを打つためには当然自分が前に移動しながら打つことになります。
前に移動して打つ時は以下の事を注意するようにしましょう。
- 短いボールと言っても様々なのでバウンド後にどう伸びてくるのか予測する
- バウンド地点よりも後ろに距離を取って止まる
- 走りながらでは無く、足を決めて打ってから前に詰める

相手のボールのスピードや回転などで、どのあたりに動けばよいのかを判断しましょう。そして、止まる場所に先回りすることが大切です。
走りながらのショットでは打点が狂ってしまいます。きちんと止まって打つように心がけましょう!
例外として「スライスショットのアプローチ」はクロスステップやキャリオカステップを使えると、動きながら打球することが出来ます。
ただし、ある程度の習熟が必要で、このステップワークを詳しく説明すると一記事くらいになってしまいますので今回は割愛します。
基本的に、アプローチショットにチャレンジしたばかりの方は「きちんと止まって」打つことをお勧めします。
チャンスボールぎみのボールをきちんと打ち込んでアプローチしたい方は↓こちらも参考にしてください!
アプローチショットからボレーへうまく移行するための考え方
アプローチショットのコツについてお伝えしてきました。
もう一つ考えなければならないことは、「アプローチショットの先にボレーがある」という事です。
最終的にはボレーやスマッシュで得点に結びつける目的ですので、ボレーへスムーズに移行できないと意味がありません。

初中級者
アプローチの後のファーストボレーで失敗してしまう事が多いです。
なんだかリズムが悪かったり、反応できなかったりするんですよね…
どのようなアプローチショットをするにせよ、絶対に行ってほしいことは、「スプリットステップ」を行い、止まってからボレーに移行することです。
これが出来ないと、ボレーの反応が遅れてしまいミスに直結します。

アプローチショットの質や考え方によって、相手の返球するタイミングや球威が変わってきます。
ご自身の攻め方によって、考え方やボレーへの入り方が変わってきます。
下記では代表的な2つの攻め方を紹介します!
「アプローチショット勝負タイプ」の攻め方
「アプローチショット勝負タイプ」の攻め方は、アプローチショットを出来るだけ球威やスピードの高いショットにして、「いかに相手の返球を甘くさせるか」を考えます。
アプローチショットでほぼ決着をつけるやり方ですので、ボレーはとどめの「決めボレー」になることを想定していきます。
〇「アプローチショット勝負タイプの攻め方」
- 相手の返球を甘くさせるため、アプローチショットは「高い打点での打ち込み」や「球威のあるトップスピン」などが望ましい
- 相手の返球を甘くさせるため、相手から最も遠いコースや苦手なコースを狙う事が望ましい
- 自分の球威やスピードが速いので、スプリットステップのタイミングは早い
- ファーストボレーが決めボレーになることを想定するので、決めボレーをオープンコートに決める技術は必須となる
- スマッシュでも同様にミスなくオープンコートに決める技術が必須となる
このように、「アプローチショットの球威やスピード」で相手から出来るだけチャンスボールを引き出す工夫をしましょう。
狙うコースも、「相手のバックハンド側の端」を狙うなど、相手が最も返しにくい場所を意識していくことが返球を甘くさせるコツとなります。
スプリットステップが遅れてしまうと、せっかくアプローチショットが良くても台無しになってしまいますので注意しましょう。

ネットプレーは「決めボレー」や「スマッシュ」などフィニッシュ系となることを想定しています。
それらのショットを落ち着いてオープンコートに決める技術が大切になってきます!
決めボレーやスマッシュの参考記事はこちらをご覧ください。
「ボレー勝負タイプ」の攻め方
「ボレー勝負タイプ」の攻め方は、「ネットプレーへの移行を出来るだけスムーズに行い、有利な条件で戦えるようにする」ことを考えます。
アプローチショットは「ネットに移行する時間を稼ぐ」「ファーストボレーの条件を有利にする」ことを目的に打ちます。
結論から言うと、「スライスショット」がもっとも適していると言えます。
〇「ボレー勝負タイプの攻め方」
- ネットに移行する時間を稼ぐために、「滞空時間の長いスライスショット」を選択することが望ましい
- 時間を稼ぐことにより、少しでもファーストボレーしやすいポジション(サービスラインより前に移動する)ことを目指す
- アプローチショットは「より深く」「より低く」打つことにより、相手の返球が早くならないようにすることが望ましい
- ファーストボレーを易しい条件で打つことにより、「ボレーの成功率を上げる」「ボレーの質を上げて相手をより追い込む」ことを想定していく
- 低く伸びるスライスショットの技術とファーストボレーの深さやコースの精度などが必須の技術となる
ボレーやネットプレーでの戦いが得意な方ほど、この戦術を採用することが良いと思います。
スライスショットでのアプローチは「滞空時間を稼ぐ」ことと、「深く低く打ち、相手の強打を防ぐ」ことを目的としましょう。
そうすることで、「ボレーしやすいポジション」で「成功率の高い、質の高いボレー」を打つことが出来るようになります。
スライスショットが甘くなってしまうと逆にリスクとなってしまいますので、深く低く伸びるスライスを打てることはこの戦術で必須となります。

ファーストボレーを易しくするポジションに行くためのアプローチショットです。
ファーストボレーがより有効打になるようにコントロールして相手を追い込んでいきましょう。
まとめ
テニスのアプローチショットが上手くいかない方への解決法
- アプローチショットが成功するためには相手コートまでの距離が短くなっていることを意識してショットを打とう
- 前に移動して打つために、バウンド地点の後ろで止まるフットワークを意識しよう
- アプローチの球威で勝負するのか、その後のボレーで勝負するのかで考え方と戦術を変えていくこと
以上、参考になれば幸いです!
他のショットにお悩みの方は、「テニスショットお悩み解決」リストからご覧ください!
ゲーム戦術でお悩みの方は、「ゲーム戦術お悩み解決」リストからご覧ください!
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