雁行陣の前衛で「攻撃できない」「うまくボレーに出れない」などの悩みを良く聞きます。
前衛の正しい役割を理解していなく、自ら難易度を上げてしまっている方もいます。
前衛で攻撃をする上での役割や考え方を、たくさんのお悩みを見てきたhachizooがお答えします!
仲間でダブルスをするのですが、前衛にいても上手くボレーに出れません。
出よう!と思っても結局ストレートが怖くて出れなかったり…
ポーチボレーが届かなかったりと活躍できません。
どうすればよいでしょうか?
サークルの先輩から、
何で今ボレーに出なかったの?それじゃあいる意味がないよ!
と言われて悩んでいます。
前衛の最適な動き方や攻撃方法を教えてほしいです。
ダブルス雁行陣の前衛は難しいですよね。苦手と感じる方も多いです。
もしかしたら頑張ってボールを打とう!とし過ぎているのかもしれません。
前衛の正しい役割を理解して、それを利用しながらポイントに結び付ける方法を覚えましょう!
この記事で分かること
雁行陣の前衛で上手く攻撃できない原因と解決法
・雁行陣の前衛の役割を理解できていない
→雁行陣の前衛の役割は相手にプレッシャーを与えることだと知ろう!
・前衛が端っこにポジションし過ぎている
→ストレートもセンターも手が届く場所にポジションしよう!
・相手が打つまでじっとしている
→これが出来たらゲーム上手!相手が打つ前にフェイントをかけよう!
ダブルスの前衛で上手く攻撃できない方の原因と解決法
雁行陣の前衛の役割を理解できていない
雁行陣とは…ストローカーとボレーヤーが斜めに陣取り、守備と攻撃のバランスが取れた陣形。主にストローカーがボールメイクしてボレーヤーが決めて得点するパターンが多い。
というように、雁行陣の前衛と言えば「ポイントゲッター」や「決め役」と思っている方が多いようです。もちろん間違いではありません。チャンスを決めるのは前衛の役目とも言えます。
ただ、その為に「絶対にポーチボレーに出なければならない」や「ボールに触らなければ意味がない」などと思い込んでしまっている方がとても多いです。
もっと言えば、「ストレートは絶対抜かせてはならない」「ストレートを抜かれるのは実力が無いと思われて恥ずかしい」と思っている方もいるようです。
こうなると、「攻撃でボールに触り決めるのがマスト!」「ストレートを抜かせない守備もマスト!」となってしまい難易度が劇的に上がってしまいます。これでは動けなくなったり、自信がなくなってしまうのも無理はないことだと思います。
→前衛の役割は相手にプレッシャーを与えることだと知ろう!
前衛が居る真の目的は、「甘いボールを打ったら決められてしまう」と相手に思わせることでプレッシャーを与えることです。
え?決めることでは無いの?と思われるかもしれませんが、決めるのは相手のボールが甘くなった結果であり、その前に「プレッシャーを与える」という事が十分な攻撃になっているのです。
相手のストローカーの立場になって考えてみましょう。
相手の前衛が、自分が打つ直前にセンターに少し動いてプレッシャーをかけてくるのが見えたとします。「このままクロスに打つと決められてしまう!」「もっと鋭角に打とう!」「ストレートに切り替えよう!」「もっと強打しよう!」このような事を考えればストローカーの難易度が劇的に上がります。
そうです!ストローカーの難易度を上げさせたり、迷わせることによって、相手がミスをする。これもプレッシャーをかけたことによる立派な「攻撃」ですし相手のミスは自分の「ポイント」を決めたことになりますよね。
前衛の役割は相手にプレッシャーを与えること=必ずしもボールに触る必要はなく、相手が嫌がる動きを相手が打つ直前に行う!こう考えるとだいぶ前衛のハードルが下がると思います。仮にポーチボレーに出てボールに触れなくても後ろには味方のストローカーが居るのでフォローもしてくれます。
また、ストレートを抜かれることに関しては基本「相手が良いショットを打ったので気にしない!」が正解です。相手もミスをするリスクを背負ってストレートを狙ってきているわけですので、1発か2発くらい抜かれた程度で動揺することは無いです。
筆者が学生の頃の試合で先輩にこう言われたことがあります。「もしたまたまボレーに出ようとしたときにストレートを抜かれたら、じゃんけんに負けたと思いなさい。」
自分がたまたまチョキ(ポーチボレーに出る)を選択したときに、相手がたまたまグー(ストレートに打つ)を選択しただけ。だからそのポイントを気にする必要はないよ!という事ですね。ちなみにもし相手がパー(クロスに打つ)を選択していたら自分が勝っている!というわけです。じゃんけんの勝ち負け1回を気にする方は少ないと思います!
ストレートに関しては3回以上連続で抜かれたときにはじめて少し気にするくらいのスタンスで大丈夫です。それよりも相手にプレッシャーをかけることを重視していきましょう!
前衛が端っこにポジションし過ぎている
初級者に特に多いのが、「前衛の方が端っこにポジションし過ぎている」ことです。端っことはサービスボックス中央よりも端寄りの事で、ひどいとシングルスライン上まで行ってしまう方もいます。
端っこにポジションする理由は、ボレーに自信がない、味方に迷惑を掛けたくない(からなるべく触らない位置にいる)、ストレートを絶対に抜かれたくない、などなど。どれも後ろ向きな理由が多いですね。
ただ、端っこにポジションすることはデメリットがとても多いです。まずはセンターが遠くなることでポーチボレーに出にくくなります。また、ストレートは守れますが、端っこに立っているとストレートに来たボールはボディに飛んでくることになります。近すぎて取れないという事も出てきてしまいます。
相手ストローカーからの視点にも注目してみましょう。基本はクロスの方向からボールは飛んできますので、目線や身体はクロス方向に向いていると思います。前衛が端っこに立っていると、完全に相手ストローカーの視界の外になります。
見えていないのだから、プレッシャーはかけられません。相手ストローカーは何のストレスもなくクロスに打つことが出来るので、とても楽をさせてしまいます。
→ストレートもセンターも手が届く場所にポジションしよう!
前衛の攻撃ポジションの基本立ち位置は、サービスボックスの中央と覚えておきましょう。実際に立ってみると少しセンターに寄っているかなと感じると思いますが、それくらいでオッケーです。
ストレートを打たれた時も、センターへ打たれた時も2歩フットワークを使えば取れる位置。その認識で立ってあげるとバランスが取れます。応用で相手ストローカーがサイドに動いたりセンターに動いたりしたときは同じ方向に1歩寄って構えられればなお良いです。
こうすることで、相手ストローカーが打つ直前に必ず視界に入ることもできます。前衛が視界に入ってくれば相手ストローカーはプレッシャーを感じながらボールを打つことになります。それが相手のミスや甘いボールを誘発することにつながります。
サービスボックス中央を基準にしながら、相手にしっかりとプレッシャーを与えられるように動きましょう!
相手が打つまでじっとしている
これも初級者に多いですが、前衛で相手が打つまでにじっとしている方がいますね。早く動いて相手にストレートを抜かれてしまうことを恐れている。そんな理由です。相手が打った後に動くのですが、当然間に合うはずもなく…。これではいつまでたってもボールに触れません。
またプレッシャーを与える観点からも、じっとしていると相手から見たら「ただそこにいる」だけ。悪く言えば置物のように感じられてしまうので、プレッシャーは与えられません。
むしろ「この人前衛苦手だな」と思われてストレートに打たれるかもしれません。ストレートを抜かせないためにじっとしていたのにストレートに打たれてしまう。ちょっと悲しいですね。
→これが出来たらゲーム上手!相手が打つ前にフェイントをかけよう!
相手が打った後ではなく、相手が打つ直前に動くようにしましょう!ここでも相手にどう感じさせるかが重要になってきます。
ここでは少し高等テクニックだけど、慣れれば誰でも出来る「フェイント」をご紹介します。
例えば、相手ストローカーが打つ直前に、前衛が1歩大きくセンターに寄った。相手ストローカーはポーチに出てくると判断してストレートにコース変更した。瞬間、前衛はパッとストレートカバーに戻ってストレートへのボールをきちんとセンターにボレーして決めた。
これが前衛のフェイントです。前衛はあらかじめ「ストレートカバーに入る」と決めています。ただ相手ストローカーが打つ直前にわざとセンターに寄って「ストレートを空けて誘いをかけた」のです。まんまとハマったストローカーはストレートに打ち、待ち構えていた前衛に決められてしまいました。
逆パターンも出来ますね。わざと前衛がストレート側に寄ってポーチに出てこないと安心させて、相手ストローカーがクロスに返す瞬間にポジションを戻してポーチに出る!上手く決まれば相手は大混乱です。心を読まれたのか?なんて思ってしまいますよね。
難しそうに見えますが、実際に動くのは相手が打つ直前に1歩寄ってからポジションを戻すだけ!
これが出来れば前衛の役割は十分に果たしていると言えますし、前衛が得意と言える第一歩になると思います!
まとめ
雁行陣の前衛で上手く攻撃出来ない方への解決法
・ボールに触れなくてもOK!動いて相手にプレッシャーを与えよう!
・基本ポジションはサービスボックスの中央!そこから相手の視界に入るように動こう!
・相手が打つ直前に1歩動いてフェイントをかけてみよう!これであなたも前衛上手に!
相手ストローカーとの心理戦や駆け引きを楽しめるようになれば、また1歩テニスの試合の奥深さを感じることが出来ますよ!
以上、参考になれば幸いです!
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